2005年12月07日

くらやみの速さはどれくらい

4152086033くらやみの速さはどれくらい
エリザベス ムーン Elizabeth Moon 小尾 芙佐
早川書房 2004-10

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 本日読了。
うおおお、こいつはおもしれえ!!
読むと止まらないですね。その割りに太い本なので睡眠不足です。
障害者が主人公ということもあり、
現代のアルジャーノンと呼ばれているらしい…?
でもそれってもうこの小説のネタバレじゃないか。あはは。
 小説の構造自体は、アルジャーノンに近いのは先日読んだ『変身』の方だと思います。
明確な変化と物語のスピード感、周囲の人物との人間関係の変化の方向。
とても似ている。

以下ネタバレ含む感想ですのでご注意ください。


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2005年07月25日

逆転世界

4488655033逆転世界
クリストファー プリースト Christopher Priest 安田 均
東京創元社 1996-05

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本日読了。
うわー!きた来たキタ!超SF!
訳者あとがきの言葉を借りれば、“認識の変革”
そうです、おいらがSFに求めているのはそれ。
新しい地平線を俺に見せてくれー!ってことなんです。
 前に一度、この話は冒頭数ページで挫折したんですが、
再挑戦してよかった。
 世界の謎が明かされていく過程も見事だし、
何より、主人公の、自分がわかっていることからの認識と
その日常描写が見事。だからこそこの世界にリアリティがある。
でも、その日常が埋没的なものじゃなくて、
常に不安感というか、心臓に針が刺さった状態というような
盛り上げ方が憎いですねぇ。
 あと、主人公のキャラが好感度高いってのもポイントです。
SFは、主人公についてイケねーばっかりに断念する事がよくあるんで。

 プリーストは他にも名作と評判の話がいくつかありますので、
これから読んでみようかと思います。
た、愉しみ。金の鉱脈を発見したような気持ちです。
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2004年12月19日

人間以上

4150103178人間以上
シオドア・スタージョン 矢野 徹
早川書房 1978-10

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 一番好きなSF作家のシオドア・スタージョンの小説です。
スタージョンの小説は長い間絶版で、
手に入るのはこの早川書房の『人間以上』と『夢見る宝石』だけ、
という状況でしたが、近年復刊や新訳がたくさん出て、たいへん嬉しいです。
 『人間以上』は初めて読んだスタージョンの作品で、
あまりの凄さ、さりげなさに、読後しばらく何も手につかなくなりました。
人間からの進化種として、超能力者が出て、
テレキネシス、テレポート、テレパス等の力を持つ超能力者たちが、
人間のなかにまぎれて生活している、一見そんな感じ。
一番表面はそうです。でも、違う。物語が何重にもなっている。
 根本から違っているのは、孤独の生き方というか…
人と違うから孤独、というテーマの話はありふれているとは思うのですが、
どれほどそれが根本的なものなのか。
山羊の群れといっしょに、荒れ果てた無人島に住んでいるのよ!

彼らの一番の違いは、集団であることです。
小さな子どもだったり、身寄りのない白痴だったりという
社会から締め出された数人の超能力者たちが、
森の小さな小屋でささやかな共同生活を始めるのです。
 各々は、人間としては半人前なのだけれど、
ある者は知識、ある者は手足といった具合に、
数人集まればそれを補い合える。それどころか、
皆が一人も欠けずに一緒にいれば、人間以上になる。
人間以上ではあるけれど、人間以外ではない。
彼らの集団は、仲間ではない。他者としての機能を果たせず、
よって孤独です。
 少しの進化。人間とはほとんど変わらない。
その差異の、誰も彼もに見放された隙間にあるのが、この物語なのです。
 そうした社会になじめない者の描写が絶妙。
孤独感、自分には何かが欠けていて皆とは違うけれど、
何が欠けているのかわからない不安感、
歯車のずれた、だけど人間的なグロテスクなイメージを、
すばらしく美しい文章で描き出します。美しいというのは、
読んでいるうちに、主人公の描写が自分の記憶に思えてくるような、そんな感じ。
『人間以上』はキャラも個性的だし、伏線がめっちゃカッコイイしで、
楽しめる要素がたくさんある小説だと思います。
一番すごいのは、テーマかな。
孤独から始まるけれど、どこに行くの?と迷子になりながらも
根本的な終わりまで行き着くすごいお話です。
posted by メロディ戦士 at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | SF◎ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月13日

短編SF小説ベスト3

まだまだSF初心者ですが、今まで読んだ中で
面白かったSFの短編小説ベスト3です。
これは順不同ですね。どれも面白かったので。


4150111804第81Q戦争―人類補完機構
コードウェイナー スミス Cordwainer Smith 伊藤 典夫
早川書房 1997-02

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 この本に収録された短編「マークエルフ」が大好きです。
そもそも人類補完機構シリーズはどれもレベルの高いおもろい話ばっかりなんですが。
 地球に徘徊する殺人機械マンショニャッガー。
これのせいで人類は一部地域しか住めません。
この機械に命令できる人間も言語も、すでに失われています。
そんなとき、ある少女が長い冷凍睡眠から目覚めて……。
 という、めちゃくちゃ楽しい設定。
設定とヴォリュームが丁度よく、短いのに濃ゆーく楽しめました。



4150302510あけめやみ とじめやみ
久美 沙織
早川書房 1987-10

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 この本に収録された「OUT OF DATA」という短編。
 おいらのSFトラウマ作品のひとつと思われます。
久美先生の本では、これとあと『真珠たち』ね。
 「OUT OF DATA」は、巨大なマザーコンピュータによる管理社会で、
不当な理由での差別される主人公。ネタはありがちですが、
データ上最悪の運命を持って生まれてしまった少女が感じる世界が
とてもきらきらしています。
肌に感じる空気や体の節々の痛み、あらゆる感情、憧れが
とりわけ印象に残ったのだと思います。



4150107394たったひとつの冴えたやりかた
ジェイムズ,ジュニア ティプトリー 浅倉 久志
早川書房 1987-10

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 この本に収録された、「衝突」という短編。
表題作もめちゃくちゃ大好きですが、
地球人と異星人の文化交流モノが大好きなおいらにとって、
「衝突」はとっても楽しい!
地球人とかかわりのない異星人同士が、
学校の歴史の課題で、ある事件の記録を読み出す、という話なんですが、
その書き起こしも、中身の事件も両方楽しめました。
挿絵が川原先生ってのも、豪華でいいですね!!
これだけ可愛らしい絵柄で、SFもかける人はそうそういないし。
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2004年12月01日

星を継ぐもの

448866301X星を継ぐもの
ジェイムズ・P・ホーガン
東京創元社 1980-05

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続編の感想は全部載ってるのに、これは載せてなかったような。
 月で見つかった、5万年前のものである人間の死体をめぐるSFミステリー。
あるのは死体と、その死体が装備していた手帳やら携帯食料やら。
いろんなジャンルの学者が集まって、その死体を分析していくディティールが面白い。
人間ドラマに流れないで、研究者達が段々謎の深みにはまって、
理論的に解明してくのにわくわくした。
おいらはタイムマシンで行方不明になった人とか?なんて、
単純な推理(?)しかできませんからね。
キャベツを一枚一枚むくみたいに、真相がどんどん明らかに、シンプルに繋がっていくのが快感です!
“科学”と“ミステリー”への欲求は完全に果たしてくれます。
キャラクターは学者か軍人しかいなくて、
ロマンスもなければ感情的対立すらない、ひたすらクールでストイック。
でもそれがのの小説良いところだと思います。だって、
新たな未知に出会い、解明していく喜びだけに集中して味わえましたからね。
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2004年08月05日

歌う船

4488683010歌う船
アン・マキャフリー
東京創元社 1984-01

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萌え尽きたぜ……。真っ白にな!
最近ハマれる作品に出逢えなかったので、
ブックオフで衝動買いし、なぜ買ってしまったんだ…などと
思っていた本書に、これほどはまるとは思いませんでした。
久々に読書で徹夜しちゃったよ。ソングマスター以来の収穫です。
というのは、もちろんキャラクターが大変に気に入ったからであります。
SF的ガジェットも勿論すばらしく、異星人なんかがもっと出てくればSFとして申し分ないのですが、
どうでもいいです。キャラがすばらしすぎて。キャラ小説で読んでしまいました。
まず主人公ヘルヴァですが、前向きで可愛いし、感情移入のしやすい、申し分ない主人公。
はぁ〜、そしてナイアル・パロラン!。なぜか名前が覚えられないのですが、
その人格は殿堂入りとして、ニュアンスはおいらの中に永遠に残るでしょう…。
口が悪く、傲慢で、頭がよくて、欲望と理性が強くて。いやもう理想なんですが!?
あぁ、こんなキャラ描いてみたい。ていうか今努力中だけど、
こんな素敵にはきっとかけないなぁ。
SFとしても、小説としても、キャラ萌えとしても楽しめました。
すばらしい本だ!続きが読みたい!図書館が空くのが待ち遠しい。

歌う船
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2004年06月17日

竜の卵

4150104689竜の卵
ロバート L.フォワード 山高 昭
早川書房 1982-06

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のわぁ、超ハードSF!!おっもしれええええ!!
けど、おいらどれぐらい理論を理解できたのでしょう…。むっつかしかったです。
でも話はとっても面白かった!!
地球の670億倍の重力のある中性子星で、人間の100万倍の早さで生きる
“チーラ”とのファーストコンタクトを描いたハードSFです。
おいらにゃ全部理解できなくても、科学的な説明をきっちり入ってる方が
SF読んでるって感じでいいよね(笑)
でも説明だけじゃなくて、面白みのある描写もたくさんありました。
チーラは、人間の側の約一ヶ月の間に、狩猟生活から人類を越すまでに成長してしまうのですが、
とくにチーラの原始狩猟生活時代の話はとっても楽しい。
数学の発見や人間との交信開始の下りはぞくぞくしました。
キャラクターの書き方も凄くいいけど、話の性質上、膨大な数のキャラが
次々と死んでいくのはちょとさみしいです。
おいらがファーストコンタクトものに求める、種族を超えた感傷も味わえました。
愛着の持てるチーラたちの描写がとってもよかったです。
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2004年05月13日

ソングマスター

4150105502ソングマスター
オースン・スコット・カード 冬川 亘
早川書房 1984-01

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 『エンダーのゲーム』のカード先生の長編です。
やっべー!マジおもしれえ!だめっす、徹夜して二日で読み終わってしまいました…。
以前も、カード先生のせいで徹夜して大寝坊したことがあるってのに!
 ソングマスターも、なんかエンダーに通じるものがありました。
ストイックさ、冷静さ、選民意識、優しさ、あふれるほどの愛情と、劣等意識への徹底的無認識。
 一代で宇宙を支配した恐怖皇帝のために選ばれた、絶世の美少年で天才的な歌手である
オンセットの生涯を描いたお話ですが、これがまた綺麗な終わり方で、
読み終わった後あまり後味引かないのがもったいないくらいです。
それはエンダーのゲームにも言えることで、カード先生はあまりにも物語を“書き切って”
しまうために、読者はただ受け取るだけ、という印象があります。
この話も、夢中で一気に読み終わりましたが、一番楽しかったのは中盤の前半くらいでしたね。
別に終盤がつまらんと言うわけではなくて、あまりにも遠くまで来てしまったために
物語の中から現実に投げ戻されたような気持ちになるのです。
作品中の雰囲気もどんどん変化していくし。
SFとしてのセンス・オブ・ワンダーは感じませんが、
音楽描写のすばらしさや、人物の感情的盛り上がりは文句なしの一品です。
特に少女漫画好きな方にはお勧めかもしれないですね。
おいらも、中盤では耽美心をかなりくすぐられました(笑)もうね、設定が狙いすぎですよ!!
そのくせ語り口がストイックなので、下品にならないのがまた良いですねぇ。
超個人的な趣味ですが、挿絵にイメージしたのは鳩山郁子先生です。
ぜったいヤベーけど!(笑
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2004年04月01日

エンダーのゲーム

4150107467エンダーのゲーム
オースン・スコット・カード
早川書房 1987-11

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 異星人に侵略されかかり、辛くもなんを逃れた人類は、
再び敵が攻めこんでくる前に、英才教育によって司令官及び軍人を育成することに。
その最年少コースが、バトルスクール。小学生くらいの年の、
世界中から集められた天才児が集う学校なのです。
 この話は、主人公エンダーのバトルスクールでの生活を中心に描かれる
めっさおもしろい近未来SF小説です。
 勝手に学園モノと思ってるけど、人類滅亡の危機感、厳しい軍隊式の教育など、
学園モノっぽいのんびり感とはまったく無縁です。
エンダーの成長していく様が描かれているんだけど、
天才的頭脳を持ち、生きぬくために判断力を持ち、ほんの子どもだけど
死の危機をかいくぐり、敵への同情心や道徳心から、自らの軍人的生活に
思い悩む様は、子供が主人公であることをたびたび忘れさせられます。
 人類よりはるかに進んだ、はるかに頭の良い種族に立ち向かえる、
世界で唯一の人間はどういうひとなのか。
また、教育システムの一環にゲームがあるんだけど、“ゲーム”という
現実から一歩離れた世界での戦略性あふれる戦いと、
実際の戦いとの比較も鮮やかだと思います。
 というか、エンダーがめちゃくちゃカッコイイ!!
10歳以下にして孤独な天才の名を欲しいままにしてます。
それと、彼にはヴァレンタインとピーターという天才兄姉がいるんだけど、
俗世での彼らの活躍も見所です。

エンダーのゲームを読んだ後は、二つルートがあるよ。
→その後のエンダールート:死者の代弁者→ゼノサイド→エンダーの子どもたち
→その後の仲間達ルート(おすすめ):エンダーズ・シャドウ→シャドウオブヘゲモン
posted by メロディ戦士 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | SF◎ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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